ミュージカル『スリル・ミー』2023年木村・前田感想 息もつかせぬ100分間
スリルミー2023年無事終焉!!
配信決定おめでとうございます&ありがとうございます!!!
配信までに感想をまとめようと思ったのだけど相変わらずぐちゃぐちゃした文だし、最終的に2万字超えになってしまっていたので最早これ誰が読んでくれるんだ!?すぎるのですがこれでも書きたいこと全部じゃないしこれ以上書くと配信見れなくなっちゃっうしで一旦区切りをつけました…
木村前田のイマジナリー公演を脳内で繰り返し続けているので、歌は歌詞カード見てるけど細かい台詞は記憶が曖昧になってきています。
配信見て改訂版か追記します。
曲単位でまとめましたがもっと二人のあれこれはこの世に残さなければならない…
ここでの私=木村達成さん、彼=前田公輝さん
わたし=筆者です。
M1 プレリュード
導入部分であるこのピアノの音色は薄暗く煙たい、埃を被ったような音でその世界に引き込まれます。
下手後方通路から足音も無く気が付いたらそこまで来ていた『私』
足取りは重く、ピアノの音は私の重い足取りのよう。
初日の観劇時はとにかく「あの人は誰だ?」と達成くんを認識出来なかったです。
手を組み、上を向くような姿勢によって恰幅が良く見えました。
ライティングの効果で白髪混じりの髪型、長い睫毛には影ができ、少し後ろに顔を倒すことによって頬が垂れているように見え、虚ろな瞳の54歳の私は低い声で話始める。
M2 隠された真実(Why)
犯罪史上に残る惨劇を起こしたと言われて
「新聞が売れるようにそんな風に書き立てたんでしょう。もっと酷い事件はいくらでもあったし、今も起きてる」
このセリフはスリル・ミーという作品が今後も上演され続けたとしてそのいつでも響く言葉だなと。
酷い事件はなくならないし、メディアがそして消費者が面白おかしく騒ぎ立てるのは常にあるし、『スリル・ミー』という作品もその消費と変わらないだろうと言われたら全否定は出来ない。
しかし加害者が言う「もっと酷い事件はあった」という言葉ほどグロテスクなものはないと思う。
自分たち以外のことは馬鹿にしていたのに、結局は世間の声の物差しで今は他の事件を引き合いにして言い逃れしている。
「何を知りたい?」
何度聞かれようと私と彼の話を誰にもしたくないかのような挑発的な言い方で54歳の回想が始まる。
「私に残る傷あとを」で古傷が痛むように眉を顰め、
「償い続けてきた」、「彼とともに 生きてゆくため」の語尾の伸ばしが老いた言い方なのも好き。
暗転して私が手を組むというポーズは54歳の私の時間軸を分かりやすくする演出なのですが、M2以降は囚人服を着ないでこの暗転とポージングだけなのにコロコロ年齢、見た目や声色、顔つきが変わる姿に驚きました。
別の誰かが入れ替わっているの?と思うくらい暗くなると54歳の私がそこに存在している。
でも変わるときの筋肉の動きは年老いていく速度というか、じわじわ筋肉が固まっていくのが凄いなと。
ライティングを利用してのこの年の違いの演じ分けは色々考えてやったのかな~(JTRで瞳に光を入れることも計算して演じていた人なので)
幼馴染の彼とはずっと一緒に生きてきたけど、彼が私に何も告げずに消えてしまったことがあった。
前にも同じようなことがあった。
卒業後、彼はまた私のところへ戻ってきました。
というシーンを見て「私は壊れた船のよう」と言っていたけど、ここで感情が壊れてしまったというよりは『それでも彼は私のもとへ帰ってくる』ということに自信を持ったのかなと。
ここで日本のスリル・ミーのビジュアルにホオズキの写真が使われている件について触れたいと思いますが、
ホオズキの花言葉には『心の平安』『不思議』、『自然美』、『私を誘ってください』、『偽り』、『偽りの恋』、『ごまかし』、『欺瞞』、『半信半疑』、『浮気』、『不貞』などネガティブな要素があるそうです。
また、その実を提灯に見立てて先祖が迷わず現世に帰って来れるようにというのが心の平安という言葉に繋がってくるそうです。
ネガティブな要素の言葉のどれを取ってもスリル・ミーに合うなと思うし、『私のもとへ帰ってくる』ということを示唆しているようにも。
また心臓にも見えるし、あの葉脈が『籠』のようにも見えるしビジュアルにはホオズキは二つなので色々な面を見てスリル・ミーに合っているし作中に登場しないものでイメージを結び付けさせるセンスに惹かれます。
19歳の私と彼の回想は、私がバードウォッチングをしているところから始まります。
後ろからやってきた彼が忍び足で私に近づきます。
後ろを振り向きそうになるとピタッと止まって、楽しそうに近づく前田彼(足が長い)
バックハグで私を驚かせるのですが、初日見た時に「なんでそんな乳揉んでるの!?」とちょっと笑ってしまったのですがこういう演出なのかなと思っていたら公式の田代・新納ペアのバックハグみたら別に普通に抱きしめていたので
高校生男子みたいな乳揉みバックハグは前田彼オリジナルなのか~~~!!
とゲラゲラ笑ってしまったwww
あと前田彼に抱きしめられた瞬間、木村私が今まで見たことないほど目がとろけていて、この表情見て大丈夫なものなのか…?と思ってしまった。
恍惚とした表情という表現がここまで合う瞳のお芝居あった?というくらい瞳の持つ熱が凄い。
彼に少しでも近づくたび、触れられるたび瞳が熱っぽくなるのですよね、木村私。
M3 僕はわかってる(Everybody Wants Richard)
「そんな言い方おかしいね!」
「だって!」
の自信満々な歌い出しが最高~~!
公称180cmの(結構前のイベントかなにかで2cmくらい伸びてると思うって話はしてた)男の上目遣い~~~!!
なんでそんな高身長なのに上目遣いになるんですか~~!!
木村前田ペアは公称上180cmで同じ身長なのですが、達成くんが逆サバなので彼より私の方が背が高いのですよね(二人とも高いよ(笑))
彼という頭が良く何人もの女性を侍らせ人々を魅了する男の定義として彼の方が私より背が高いというのがスリル・ミーのあらすじを見て想像する彼像なのかなと思うのですが、鏡合わせで対等でバランスの良い二人組のようで木村私と前田彼の並びが好きすぎる。
前田彼はわざと胸を張って背を高く見せようとするし、木村私は彼に従っている私として猫背気味であえて弱そうに見える立ち姿になっていてこれが終盤に効いてくる…
♪僕はわかってる はピアノがとにかく好き!
「誰も知らない」、「みんな君に夢中」の後のタララララララ↑って上がっていくところが大好き!
上がるところが大好きなのだけど、その前の歌詞の時は下がっていくのも良い…
私の情緒のようで波のような音で楽しくなってしまう。
公輝の喫煙シーン最高だよね
火を持っているかと聞かれる前に火を渡す私
「なんでもわかってるよ」とでも言いたそうに。
「突然いなくなって とまどった」
「わかってる」
「君は知らん顔 よそばかり」
あたりの歌い方、困り顔が180cmもある男のそれとは思えないほどかわいくて困る…
「でも僕のもとへ帰った 一番大切な僕のもとへ」
で最高に嬉しそうな顔をしているので、M2で言っていたことが繋がってくる。
いなくなってしまったら悲しいけれど、でも君は僕のもとへ帰ってくる。
自分のそばから離れる悲しみを超える、自分のもとへ帰ってくるという喜びが勝っているのだろうなと。
煙草の煙を私に吹きかける前田彼~~!!そういうところだぞ~~~!!!
キスシーンがあるとは知らなかったので初日はワ!?と驚くばかりだった!
前田彼は一度小さくキスしてから微笑んでもう一度深いキスをするというのが大枠になっているのですが、明らかに寸止めしてキスを求める私にくすっといたずらっ子のような笑いを浮かべてキスした日もあった。
キスされるって目を瞑ったであろう私の顔を見ながらあんなふうに顔を近づけたのに寸止めして意地悪してからキスするのさあ〜〜〜
あと高崎の彼は私の首元の掴み方が強くて勢いが凄かったな。
そんなんだから私に執着されるんだよ!!!!!って叫んだ。
最後に投げ捨てられたマッチに切なそうな目で見る私、
このマッチと自分は同じようなものだと思っていたのだろうなぁ。
盗品を雑に投げる彼を見るのと同じ。
M4 やさしい炎(Nothing Like A Fire)
ガソリン投げ選手権があったら優勝しそう
そういえば半年前はハンマー投げの元オリンピック選手だったもんね!(違う)
後方に投げる時あまりもドンガラガッシャン!!ってするからこれがコメディなら猫の鳴き声聞こえてくるなこれとか考えてた。
ガソリン撒く音もピアノの音なのでここは落合さんが後ろ振り向きながら音を合せてるのが好き。
木村私への解釈として、上目遣いするようなかわいい表情だったり、びくびくして怖がりで頼りない姿は『彼の望む私で在ること』に繋がってくると思っていて、身長を誤魔化しているのも彼が幼く、昔のままだと言ってくるなら彼の見えている私であろうとしているのだなと。
やさしい炎での彼の甘い歌声をうっとりとした顔で聞き惚れる私(すぐ盛った目をするなあ…)
「俺たちの心を」のところで肩から腕に手を擦られて喜びに満ちた顔からの
「慰めてくれる」のピタっと音がハマる抱擁
そこから「火の粉はじけて 空へあがってく」初見時は彼が私を支配して操り人形のような振り付けだなと思っていたのだけど、2回目以降に見ると二羽の鳥が空に羽ばたくようにも見えてぞっとしました。
M5 契約書(A Written Contract)
昨日のお礼は放火のあとに身体を交えたことだと捉えているのですが、炎に魅入られていく彼(炎自体ではなく罪を犯すという意味)と彼が罪を犯せば自分の欲求が満たされるということが『あのマッチが全てに火をつけた』という言葉のように繋がっていくのだなと。(それにしてもるんるんで昨日のお礼に!ってやってくるのじわじわくるけど)
前田彼のことは父親の愛に飢え、愛情を独り占めしていると思っている弟への恨みと自分はこんなにも出来る人間なのに何故評価されないのだという怒りから、自分が理解されないのは超人だからであるとニーチェに傾倒していった凡人であると認識しているのだけど、だからこそ彼にとって弟という存在は彼の怒りのトリガーになるわけで。
それが分かっているのにわざわざ弟に部屋に入れてもらった、君が泊めてくれないなら「弟に頼んでみるよ!」と嬉々として言う。
基本的には彼が主導権を握っているのに私は彼の嫌がることも理解して時には弱味としてぶっこんでくるの、意地が悪いな…
このシーン、彼の寝ている姿を見守る木村私、脚長~~~~~(知ってる)
あと前田彼の寝ころびながらの「あれは最高で完璧な夜」の歌い方が好きすぎる
「法律を破るのにいちいち僕の助けなんてなくても」
「お前がいなきゃダメなんだ」という言葉を2度言うのだけど、
この時の前田彼の「お前がいなきゃ」「ダメなんだ」の言葉の置き方とこの言葉がどれだけ私に刺さるのかを知っていて眉をくいっとしてして畳みかける姿が最高。
前田彼そんなんだから!!
この言葉を言われた時上手の方を見ている私がこちらを振り向く時のライティングがとても良い…
身体が半分になるような光で初めてそんなふうに言われて嬉しい気持ちともう半分は「君には僕しかいないんだからそうだよね」とでも言いたそう。
『彼』がすることなのでどの彼がやっても血の契約なんて厨二だな…と思うのかもしれないけどやはり前田彼のもともと持ってる見え方と合わさって厨二感が増す…
JTRの時に万里生モンローがタイプライターの扱いが上手いのはスリル・ミーでやってたもんね!というツイートを見たのだけどやっとここで何でかが分かった(笑)
達成くんはほぼ人差し指で売ってそうなのと、日本語打ちか?という音の響きだったな…回を追うごとに少しずつ良くなった気がする(気がする)
本当にほぼ一本打ちだな、みたいな日もあったと思うんだけど君嘘のきらきら星を思い出す打ち方だった〜
あと勝手にしろって言われてからるんるんで打ってるのもかわいかった(笑)
「優しく指を刺す 血の滴をくれ 痛くはしない」の言い方
前田彼は本当に痛くしなそうな優しい顔つきと声。
手をがっつり引っ張られて嫌がっていても彼に近づくとどうしてもその姿にくらくらしそうな顔つきになる私…
ここ本当に木村私は痛いの嫌いそうだし先端恐怖症もありそうとか思ってたんだけど彼に強引に引っ張られて身体を密着させるとすぐ顔がとろけていたのでそういうところだぞ〜となってた。
私が彼にも同じことをしようとすると「前にもやったことがある」と答えているのだけど、こんなド厨二な行為を他の人ともやったんだウワァ…なんだけど、散々レイがこうして欲しいということが分かっているうえで笑いながら突き放しているのでここでの私と彼ほどの強力な血の契約ではないかもしれないし、実際には誰ともやっていないけど私を挑発したいだけかもしれないな…とも思った。
私の顔を見て不敵な笑みを見せながら、自分の指先を見ずに指を刺すのも刺したあとニヤニヤするのも
前田彼そんなんだから!!!!!
実際にやったら危なそうなんだけどこの、お前がやりたいのは分かってるけどやらせてあげない彼とズルい、って顔で見つめる私よ!
彼からの提案だけど、「ふたりはこれで完全な~」のあたりから私はこの契約をいい機会だとでも言いたげに目が生き生きしていくのだよね…
彼が私をいい様に都合よく振り回そうとして結んだ契約だけど、同時に私も同等な権利を得ることになってしまうのだけど、彼は全然気が付いていない。
私から差し出された契約書を指先で跳ねる彼、ここでは指を刺す時と同じピアノの音色はないけどあの音と同じ音が聞こえるかの去り際が好き。
M6 スリル・ミー(Thrill Me)
天井からバッグから落ちてくるの初日は凄く驚いた(キャッツの靴みたい)
焦る木村私とは対照的にアヒャアヒャいいなが浅い呼吸をする前田彼
盗品を並べるシーン、東京の間は自分が見た回は乱暴でもドン!と床に置いて行っていたけど名古屋・高崎では投げ捨てるように置いていた。
彼が物を雑に扱う様を見るたび私は投げられた物が自分であるかのように悲しい顔をするのが印象的で、これまでに投げられたマッチの箱、本、指で弾いた契約書、盗品たち…その扱いと自分の扱いをリンクして悲しくなっていたのだと思う。
そしてライターの火、火を見ると罪を一緒に犯し、それが終われば私の求める行為の時間が訪れる。
火を見つめる彼の首元に触れようとするが跳ねのけられて虚ろな瞳で零れ出る「抱きしめて欲しい」の切ない事…
ここの台詞が本当に頭で考えて出てきたのではなくどうしようもなく零れてしまった言葉のようで重くて切なくて…
欲しいものがあったら言えと言われて零れた言葉を拾わずに違う話をし始める彼は、他人のものをいくら盗んでも埋まらない心の元凶である父と弟への執着を露にすることで私の心が握り潰される。
彼からしたら、いきなり気持ちが爆発したかのように見える私の『スリル・ミー』の歌唱シーンだけど、私からしたら契約書を結んでからますます罪を犯す=それに付き合ったら自分のしたいことが満たされるという繋がりが一層強くなったからより彼を求めてしまうし、でも彼が何度も物を放り投げていくたびにそれが自分の扱いのように思えて積み重なった私の満たされない感情が爆発したのだなと思う。
名古屋・高崎公演では前田彼が盗品の置き方がより強く放り投げていたので、木村私の爆発もより強く、そして私としての感情の動きも分かりやすくなってた!
下手でバッグに盗品を詰めてる彼に訴えている時、
9/14の公演では「スリル・ミーーー」のミーのシーンで手をす~っと床に這わせていて彼の身体を求めるような手つきでひゃ〜〜〜ってなった(たまたまかもしれないけど)
ここの前田彼のバッグ投げ死ぬほど早いのだけどあの見た目重そうな作りで高速で投げられてるのに絶対受け止めるマンな木村私の運動神経の良さよ!!!
高速すぎて笑っちゃうんだけど他のペアもあんな感じなんだろうか…
試される私ズの運動神経…
受け止めたバッグを今度は私がぶん投げるのも高速なんだよな(笑)
あと「さあ壊してくれ」で階段の手すりがガチで壊れそう
私がこんな馬鹿げたことを続けるのは血の契約を交わしたからだと契約書を見せ、ここで破り捨てて欲しい?と聞かれた彼がそれをちらつかせたら仕方ないから付き合う姿勢を見せたけど、彼の主導権が絶対的ならそれが破られたくらいで主従のような関係が簡単には解消されなさそうなのにそれでも付き合うの、冒頭での『結局は私の元に戻ってくる』という関係がよく伝わってくる。
彼がどれだけ他人を馬鹿にして自分が強者である振る舞いをしても彼もまた私と一緒にいるしか道がないのだ。
ネクタイ外す姿も片手でボタンを外していく様もセクシー前田さん…
達成くんがジャケットを脱ぐと益々脚が長く見えて10mある…
「いい加減な気持ちならいやだ!」の切ない叫びからのサスペンダーを外す姿セクシー木村さん…
切ない叫びから、「優しくしなくていい もっと強くもっと」は言ってる側なのに壊れそうなのに「決して裏切れない だって共犯者」と彼に詰め寄るときは絶対に逃がさないし身体も無茶苦茶にしそうな強い目をするんですよね~~
彼を床に寝かせるときも強いし、この時の立ち姿脚50mある~~~~~~!
鬼のスタイルと身体を滅茶苦茶にしそうな姿から手を組むとまた筋肉が衰えて54歳の私が出てくるのが意味が分からなかった…
身体を交える描写の直後に言う「彼の『友情が必要でしたから』」ほど皮肉なものはない。
これは時代背景的にも同性愛をここでそのまま言うわけにもいかなかったのかなというのもあるし、結局最後まで恋人なんて関係では収まらなかったのもあるし、彼への当てつけでもあるのかなと。
事後シーンは東京前半は割とスッキリした顔をしていた認識だけど東京後半~地方は彼に無理させてしまったなというようなばつのが悪そうな顔をしてましたね。
東京終盤だけど9/29は木村私が圧倒的なパワーで彼を丸のみしそうな日だったので、事後のスッキリ顔が最も凄かった…
前田彼は東京では虚無が強かったように見えたけど、地方ではこの行為によって傷つけられたことに怒りを覚えているような顔で怒りからくるどでかいことを思いついてしまったのが分かる。(もっと前から怒りが強かったかもしれないけど虚無の印象が強かった)
M7 計画(The Plan)
ここ書いた文が2回消えたのでもうライフ0です。
誰を殺すかと問われたときに「俺が一番むかつくやつ」と言われて即「ぼく?」と出てくるの、自分が彼にとって大切な人もむかつく人も、プラスの感情の一番もマイナスの感情の一番も自分であると信じて疑わないところにオイオイ!
私が彼の弟を殺したら真っ先に容疑者になると即つっこみを入れてるけど、そういうことすら考えに至らない彼ってどれだけ追い詰められてるのだろうか。
私が彼の弟から別の誰かにすり替えるのはそういう身内殺しはすぐに疑われるからという理由だけでなく、彼の執着する対象である弟を彼の手で殺してしまったらその執着は永遠のものになってしまうから、そういう意味でも私は何の執着もない相手にしたかったのだろうなと思いました。
史実であったように彼は犯罪小説等を好み犯罪自体への憧れが表現される歌詞が並ぶ。
笑いながら、どうやってやろう!と卑劣な行為の言葉を吐くのが恐ろしいし、やっぱり厨二感が凄い。
自分には完全犯罪を遂行する能力と弟を殺すことで欲求を満たしたいという飢えからくる自信と欲望が目つきや眉を顰めるところに存分に表れる。
私は何不自由なく愛されることが当然として生きてきたわけだけど、彼の愛されたいという願望にもちゃんと気づいていてそれをつつこうと彼の弟を持ち出すことを多々繰り返しているわけだけど、ここのシーンに関しては木村私は本気でどんなに憎くても大事な家族なのにと訴えてるように見えたな。
むかつくことがあっても家族の縁はそれでも絶対大事であるという考えは家族仲が良くて愛さることに何も疑問を持たずに生きてきた証だし、そこにはゲーム感覚を感じないからこそさらに彼の気持ちを逆なでするのだと思う。
ことごとく地雷を踏みぬかれた彼だけど、それでも完全犯罪の可能性が低くなる弟殺しはやめて知らない子供を誘拐して身代金を要求してから殺すことにする。
裕福な家庭で育ったはずで金には困っていないはずだと言われるが、私の家はそうでも彼の家はそうではない。
ここも彼の父親の愛情が全て弟に向かっているというのが本当にそうなのか?という疑問と認知が歪んでいそうだなに繋がるのですが、実際に彼の家庭が昔より金回りが良くなくなったか、本当に父親が彼には与えずに弟だけに与えるようになったのか、など真実は分からない。彼の求めるものが手に入らないだけで(自分で稼いでいるわけではないので金があっても駄目なものは駄目とされているだけかもしれない)彼が勝手に私の家との差を疎ましく思っているだけかもしれない。
何にせよ認知は歪んでそう。
あとここで彼が私の後ろに回って「わかるだろう。俺がどれだけ興奮しているか」というの、この行動付きなの気持ち悪いな…しかも私の身体に指を這わせるんだよな…(気持ち悪いな…)
ここせっかく彼から私に触れてくれたのに私は振り払うの、罪を犯せば=自分の欲求が満たされるの図ではあるけどやっぱりそんな形で彼のこと欲しいわけではなかったのだろうなぁ。
弟じゃない代わりの誰かを殺すと決めたあと、正気を失っていく私を熱い目で見る彼、近づいてくる私を階段で抱きとめるシーン、これから人を殺すにしてはあまりにも美しい前田彼の指が木村私の頭を撫でるのだけどあんなに綺麗な手なのにその手は人を救う事や意味のあることをしないであと少ししたら血まみれになるのかと思うと…
このシーン9/24貸切の公演で暗転してもオペラグラスでガン見していたら、もう暗くなっているのに前田彼が木村私の首から手を放すときにとんとん、と首元を撫でてから手を放したんですよね……
暗転してるってことはもうそこはお芝居としてカウントしなくてもいいところ(見えないので)なのに、それでもその時そう心が動いたんだよね…
わたしはこの1回しかこの行動は見てないけどあまりにも…
達成くんもいつも手が綺麗で指先までお芝居をされている方なのだけど、公輝もこんなに手の芝居が最高だとは…
木村前田は指の芝居が最高!!!
M8 戻れない道(Way Too Far)
ぼくはわかってるも木村達成さんの素晴らしさが存分に味わえる時だけど、あまりにも良さが詰まってませんかね!?(その後ろで公輝は現場猫してる)
このシーン初日に見た時は時系列あまりはっきり認識できなかったのですが、手を組むポーズをしているので基本的には現在の54歳の私がと19歳の私が重なって行き来して気持ちが溢れるシーンだと認識しています。
9/14が特にはっきりと54歳の私としての歌唱に聞こえてよかったな〜〜
あと100万回言うけど歌が上手い〜〜〜!!
複数回見ても木村私が「こうだ!」とはっきり言えないんだけどやっぱり言葉の節々に計画性と絶対的優位みたいなのがチラ見えするのに何度も何度も迷いが生じている。
ただ真っ直ぐ、彼が欲しいということだけは濁りなく。
濁りはないけどその手段に迷いはあるから戻れない道が沁みる。
で、そうかと思ったらこの歌の怖いところは最後の最後、「信じてた」で悲しげな最後の言葉のようで暗くなっていくにつれて目がかっぴらいていくのが見えるんですよね…。
暗転時の芝居というのは公輝のぽんぽんにしろ、木村前田のお芝居という軸に直結してくるものではないと思ってるけどこの数秒間に凝縮されたものがあるので100分間本当に瞬きひとつ許されない。
迷うよね、悲しいよね、と聞いていたのに恐ろしい眼差しが焼きつくのが怖いのに目が逸らせなかった。
M9 スポーツカー(Roadster)
ここは彼の見せ場、ショータイム(倫理的にはよろしくないけど)
スポーツカーの難しいところは圧倒的な歌唱力で殴られたい気もするけど、子供がついていってしまう柔らかさが必要なのかなと思う(人によっては柔らかくなくてもカリスマ性で魅力するような場かなと思う)
ここ、前田彼の歌い方、言葉の置き方がずっと優しくて楽しそうで本人の持つ柔らかさがとことん発揮されていると思う。
これはわたしが元々公輝に対して柔らかくて暖かいひとという印象があるからかもしれないけど、本当に元々持ってるものとマッチして恐ろしいシーンなのに楽しく見えてしまうのがなおのこと恐ろしい。
ずっと子供の目線に合わせて優しくて、柔らかいくしゃっとした笑顔で、子供心がくすぐられるようなやりとりをするのに「家のそばで降ろしてあげるから」と嘘をつくときだけ少年に見えないように真顔に戻って瞳に光がなくなるのが怖すぎる…
名古屋高崎では「僕たちともだち」のところが強めな言い方になっていて、東京では優しく優しく子供の方から好かれる優しい感じから、同意しなくても同意させる、僕たちともだちだよねえ?そうだよねえ?と言いたげな強い言い方になってたのも、盗品の投げ方の変化と相まって怖さが増してた
後方のライティングがクルマのライトに見えて、
殺しのシーンは直接描写がないけど、連れ去った後のピアノのダーーーンダーーーンダーーーンダーーーンという音はハンマーで頭を割る音でその後赤いライティングに変わるの、このシーンの美術が美しいと表現するのは違うと思うのだけど、よくよく考えたらそうだな…と思わせる形で空間を作り上げるのが凄い。
M10 超人たち(Superior)
ゆっくり、じっとりとしたスポーツカーの後の超人たちは心臓が早く鳴りそうな楽曲
私は下手通路まで走ってくる?早歩き?してくるので席によってはこの時の顔が!表情が!見えないので!この作品は登場以外で客降りいらないよ!って思っちゃった。
前田彼が完全にいかれてしまっていて、笑いながら話す(歌う)
毎回ノールックで私の元へロープ投げるのも凄いけどこの時の怯え方めちゃくちゃ早くて木村私の運動神経いいシリーズ
私が誰かに見られたかもしれない、何か落としたかもしれないと言うと散々興奮しきっていた前田彼の口調が変に冷静ななトーンになる。
前田彼は普通なら慌てる場面なら声を荒げそうなときに逆に冷たく早口になる印象があるのでここもそんなことはないと否定しつつも自覚のないところでは「そんなことあってくれるなよ」と若干の焦りはあったのかもしれない。
曲の最後のところは本当に以前の二人には戻れないところまできてしまったという叫びで目を見開いて恐怖する私と人生で最も興奮している笑い混じりの顔の彼。
彼が先に行こうとするのを引き留める私の手を取って闇に消えるここの前田彼が妖艶で、最低な行為のシーンなのにどうしようもなく官能的な間。
M11 脅迫状(Ransom Note)
部屋について脅迫状を書く彼にこれを読んで欲しいと言われたときに眼鏡がないことに気づく私。
上機嫌な彼はわざわざ自分の足で私が読める位置まで脅迫状を持っていく。
脅迫状の内容を歌う時、上機嫌な彼とは対照的に最初はびくびくしていた木村私がだんだん目の色が変わっていく様が恐ろしい。
「ああ、完璧だ」
スリル・ミーはあの狭くて観客との距離も近くても客とコミュニケーションを取るなと言われているそうなのですが、そんな指導のもと唯一許されているのがこの「完璧だ」のシーンだそうです。
大きな体を折りたたみ、真っ直ぐな瞳で少しの笑みを交えながら言う言葉に木村私のピースがカチッとハマっていく。
たまたま木村私の視線の先にバッチリ合った席で観劇した日がありますが、オペラグラスで覗いたことを後悔した。
今まで散々、この物語を勝手に覗き込んでいるそれこそ我々は取調室の壁にでもなったような気分で、こちらの心情などまるで見てこなかったのにこの瞬間覗き込んでいるのがバレた!!というような感覚
怖くて目を逸らしたいのに逸らせずに瞬きも出来ず呼吸も出来ない。たった数秒のことなのにお前の心臓はこの手で握っているぞとでも言われたように。
もし自分たちが同じような目にあったらという話で、
彼の父親は世間体のために金は出すだろうけどそれは自分が大事なのではなく世間体のためだと言って、一方で私は自慢の息子だから当然金を出すだろうと。
この脅迫状はあくまで誘拐して殺害した少年の親に向けて書いているはずなのに、
私の繊細な表情の変化を見ているとこれは彼の父親にも自分の父親にも向けているのかなとも捉えられる。
最初は怖がる表情で言いながらもだんだん頭がクリアになってきたような顔つきで完璧だと言ったあとはどんどん顔つきが変わっていく。
ここ最後に「お前次第だ 息子の命 救いたければ」を向かい合って言い合うからなおさら私の方はもういない殺した少年の親ではなく、その先のことを考えていそう。
あと前田彼が木村私の肩に手を置いたら私が彼の手を触りにいくのが東京終盤頃にはまだ前田彼に触れてないのに木村私の手を取りに行ってたな…
いかに彼が興奮して前のめりになっているかが、指先で語られている…
M12 僕の眼鏡/おとなしくしろ(My Glasses/Just Lay Low)
ついに遺体が見つかってしまったとローカルニュースを聞いた私が彼に電話する。
「どうしよう震えが止まらない」とかも電話では本当に震えているかなんて分からない曖昧な言葉だよね。
それしても「そんなことで 騒ぐな おとなしくしてろ」の公輝の歌い方が最高なんだよな~~~!!
あんな声で「おとなしくしろ」って言われたら「ウッス!!!」っておとなしくしちゃうもん。
これ何度も言いたいけどど素人意見すぎるワード
「この作品、本当にピアノが心臓だ」
それくらい、焦って不安になれ!息をするな!瞬きをするな!鼓動を早めろ!と煽られるしピアノの速度が心臓の速さと一緒になるしスリル・ミーの根幹だ。
眼鏡が見つかってからのまくし立てが凄い。
前田彼は終盤で髪が乱れるのですが、9/24はこの時点でかなり乱れていて焦りもかなり早い段階できていたように見えた。
新聞をめくるのが凄く荒く早く、この時点ではあまり乱れていないはずの髪がかなり乱れてた(良かった)
この後の新聞ぶん投げ、木村私剛速球すぎてww
木村私運動神経いいシリーズの最たるシーンですねww
M13 あの夜のこと(I'm Trying To Think)
やっとここまできた~~~~!!
この歌に狂わされた~~~!!!!
前田公輝の歌い方大好き問題一覧
・「たぁ~~しかあの日はぁ」
・言葉に合わせた眉の動き
・「そぉ~れから」
・「ちょっと待って」
・「そぉ~れから」
・「思い出せない」
・「なぁんで~~も」
・「隠すことはなぁ~~にもなぁい~~~」
・誰かそこにいた(逆転裁判ポーズ)
・どや顔で手を差し出す
・「思い出せない」
・「思い出せない」
・「思い出せない」
・「思い出せない」
もうこれ細かく説明しなくてもいいかな。
初日に「思い出せない」のフレーズの言い方、声の抜き方に射抜かれたけど初日は歌詞まで覚えていなかったのでその日の打ち上げでフォロワーさんたちと飲みながら
「公輝の台詞、歌い方、声の出し方がすごい好き。とてつもなくいい言い方してるところがあったんだけど…」
「思い出せないんだよね~」
いやそれそれ!それだよ!!!!
で、公式のゲネ動画の投稿により
「思い出せない」だ!!!!!!!
と判明。
いや~~ここの言い方大好き!
シンプルに好みの問題もあると思うのだけど、これは私の耳元で囁いているかのような歌い方だと思うのですよね。
このシーンの木村達成大好き問題一覧
・180cmの身体をちっちゃく折りたたみ「こわいよ…」
・「そう服はピンク マニキュアも」でどんどん木村私の中に前田彼の意志が宿っていくかのような感じ
・「女の子のこと聞かれるよぅ」縮こまる180cm
・「思い出せない」立ち上がる時の脚が5m
・「証明できるのはァ」
・「思い、出せない」じわぁと笑み
・「でぇ~きないよぅ」
・「一緒にいてくれたらいいのに…」
・思い出そうとしているフリの芝居が下手に見える芝居が上手い
・「思い、出せない」
・チラッ!ニヤァ!!!
木村・前田ペアは声質が似ているところが最高だと思っているのだけど、
それが私が回想している、信用できない語り手としての機能をさらに上げているというか。
史実でも罪をなすりつけ合った二人が生き残った側が言う全てが本当かは分からない。
私が話すことは全て本当で本心かどうかは分からない。
彼の話したことが私が話したことだったかもしれないし、私が話したことになっていることは彼が言ったことかもしれない。
それがこの声が似ているということで歌っていたらどっちがどっちか分からなくなりそうなほど溶け合うことで真実がぐちゃぐちゃにされているかのように見える。
そうした鏡合わせのような二人が手を繋ぎ歌うこのシーンは、運命共同体としての再スタートでもあるが、徐々に立場が逆転していくシーンでもあると思っている。
彼が先に手を出して手を繋ぐし、彼の手を振りかざす勢いの方が強いのにその勢いを利用して最後は私も同じくらい勢いをつけて手を振りかざしているように見える。
体格差がなく、声が似ているからこそ本当はどちらが…?もしかしたら…?と想像を書き立てられるので大好きシーンです。
M14 戻れない道(リプライズ)(Way Too Far)
思い出せない、あの夜のこと…と何とか切り抜けた木村私、どうどう僕頑張ったんだよ褒めてくれる??と健気…
「ああ、よくやった」と言った肩に置かれた彼の手に触れようとしたら触る前に離れて行ってしまう。
脅迫状の時には前田彼から触れていたのに、その指はもう触れ合わさせてはくれない。
そんな細かい彼の心の動きにひどく傷ついたような木村私が切なかったな。
ここの他責かましまくる前田彼はまた冷たく早い口調で冷静な人を装う。
何があっても余裕がある人間で在りたいが故の言い回しのようで本当小さい男に見えるんだよな…
リプライズの歌唱部分は短いですが、切なくて切なくて…
M15 僕と組んで(Keep Your Deal Whith Me)
終盤の前田彼の髪は下そう!って決めた人どなた~~!?天才~~~!!!!
「この裏切り者!」すらまだ自分は感情をコントロール出来る人間であると示したそうな彼の言い方。
髪の乱れた前田彼のスーパー媚びソング
ずっと興奮気味だった彼が優しく、柔らかく、甘い声色で私に俺と組んでという。
でもこのナンバーのメロディはスポーツカーと同じなのである…。
彼が本心から悔い改めてレイ助けてと言っているようにも見えなくはないが、それは前田彼のポテンシャルだと思うので…
彼は嘘をつくとき人を騙そうとするとき、優しく、柔らかく、甘い言葉を奏でるのだ。
そしてスポーツカーのメロディからスリル・ミーのメロディアレンジに変わる。
このメロディは、彼視点での「スリル・ミー」なのかどうか色々考えたんだけどやっぱり私視点の「スリル・ミー」なのかなあ
私はこの口説き文句は全部彼が彼のためにやっているのも見抜いているだろうし、だから彼からキスされて身体を撫でられても泣きながらその手を振り払う。
振り払うけど彼には抗えない。そういう複雑な感情が木村私のぐちゃぐちゃの顔から伝わってきて辛い。
ただ「スリル・ミー」という言葉の解釈はきっと何通りもあってペアごとに違ってその時の公演によっても違って。
私視点のスリルミーなのか彼視点でのスリルミーなのか迷うのはスリルミーという言葉を
「愛して欲しい」と訳してしまうと生じるのかなと。
わたしは最初こそスリルミーは愛して、愛して!と言ってるかのように聞こえていたのだけど、最後の木村私のスリルミー!という言葉の投げ方にも色々あったので、何周もしてやっぱり
「ワクワクさせて」「わたしを楽しませて」とかそういう意味かな。
前田彼はずっと父親の愛情に飢えているからそう愛されたい願望が強く、そういう意味でも自分を愛してって気持ちがないわけではないし含まれる気もするけど、このズルい彼のキスシーンで彼の視点とも私の視点とも取れる「スリル・ミー」のメロディはやっぱり二人は切っても切れない関係でどうしようもなく求めてしまうし、楽しませて欲しいという身勝手な感情をお互い持っているのが悲しくぶつかり合うシーンだと思いました。
それはそれとして東京終盤くらいに髪が伸びてきた前田彼がキスする前に髪を耳にかけるのは大天才だったな~~~~!!!!
M16 死にたくない(I'm Afraid)
昼間の内は強がっていた彼も夜になったら不安になって、眠れずに歩き回ったり独り言を言ったり…
隣同士の拘置所で判決が出る前夜、私は寝たふりをして彼の行動に耳を立てる。
「起きてるか?」と聞かれて寝てますアピールをしてすぐ、
彼が「怖いんだ」と言った瞬間木村私の目がパッと開き、広角が上に。
ここどっち見たらいいんだ!!??と思いつつまぁわたしは前田彼を見つつ木村私をガン見していましたが…
9/29の木村彼は計画性バリバリ、強さマシマシだったのでどんどんニチャニチャ笑っていて彼の「死にたくない!!」の頃には口を開け上を向き声が出そうなほど笑っていた…
名古屋・高崎でもこのシーンの最後は大笑いしてたな…
それはそれとして髪を下して死にたくな~~~~い!!!って暴れまわる前田彼は大変良かった。
M17 九十九年(Life Plus Ninety-Nine Years)
護送車のシーン、9/29は拘置所で大笑いしたあといち早くネタ晴らししたくて仕方ない!それ故の落ち着かない!というようなニコニコだった。
芸術的な弁論をした優秀な弁護士に救われた二人。
彼は「本当は俺がなりたいのは、まさに彼のような弁護士だ」
と言い、「そうだったの、知らなかったよ」と答える私
知らないはずがないだろう、知ってて金で呼びつけたのかなとも取れるような鼻で笑うような知らなかったよ。
彼のことで知らないことなんてないだろうに。
彼は「俺がなりたいのは」と人を殺しておいてまだ自分がこの先なりたいという未来への願望が消えていない口調。
「僕達同じところに移されるね」
「二人組の殺人犯が同じところにいられるわけがないだろう」
「警察の看守なんて金でどうにでもなる」とどんどん声色が変わっていく私。
「僕達はこれから一生、同じ場所で過ごすんだよ」
と言った後に車の音が大きくなって、窓の外を眺める私が「奇妙な鳥が二羽。籠の中で飼われているみたいにね。もう離れられない」
どんどん正体を現す。
車の音が大きくなってぴたっと止まるの、ここで心臓をギュッと掴まれて本当に一瞬心臓が止まったかと思うくらい、息ができない。
理由なき殺人ではない、これは君を僕のものにするためだったと。歯を剥き出しにしてにっこり笑う木村私。
「わかってただろう」
スリル・ミーにおいて何度も出てくるこの言葉。
私は彼のことがわかっているし、彼も私のことをわかってる。
僕の気持ちをわかってよ、わかってるだろう。
木村私は一貫して前田彼が欲しくて、手に入れるためならなんだってした。
まっすぐすぎる思いをただ貫いた。無邪気に。
木村私は19歳であの見た目にも関わらず幼い。でもそれは「彼が私を幼いというから。彼が変わっていないというから」
そして最後の僕こそが超人だというのも木村私は別に彼の知らぬ間にニーチェを信仰しているとかいうわけでもなく、ただ彼が「俺たちは超人だ」と言ったから。
彼の理想とするのがニーチェで、超人だから。君の求める者に僕は、僕こそが君の理想なんだよという提示。
「俺のこと見直したか」
劇中で私が唯一「俺」という箇所
ここさぁ、日本語だからこそ出来る表現だよね
「俺」というのは彼であり、二人はずっと彼が優位に立っていた。
一人称を変えたたった一文で力関係の逆転を表現できる。
あと護送車内で木村私が立つともう完全に私の方が彼より背が高くなってる、もう猫背で自信がなくて彼が幼いと言った私はいない。
木村前田の身長差がここで活かされるの最高〜〜〜!!!!!
ここは楽しそうに言うのに、そうかと思えば「怖くなったか?」では「でもそう思われたかったわけではない」というような声色になる。
彼に「君を認めよう」と言われ勝ち誇ったように笑うけど、そんなふうに彼をねじ伏せたのだからどんなに身体が同じ場所にいても君は孤独であると突きつけられる。
でもそんなこと関係ない、と木村私は後ずさりする彼をどんどん追い詰める。
どんな形でもいい、ただ一緒にいたかった。
ただそれだけの気持ちが私をここまで深い森の奥まで連れてきてしまった。
永遠とは言わない、死ぬまでは二人はずっと九十九年一緒。
英語だとLife Plus Ninety-Nine Yearsなので終身刑+99年
生きてる間と死んでから99年
でもこれって、実際には絞首刑になる以外は心中でもしない限り絶対にその年数にはズレが生じるよなあ。
彼は結局獄中で殺されてしまうので、先に99年の最中にはいるけど、私はまだこの先と99何がある。
終身刑と99年って途方もない数字で、それはつまり永遠に等しい。でも永遠とは言わない、せめて数えられる終身刑+99年と。
途方もないこれからを永遠と言いながら、数えられるという現実的な部分でも一緒がいいという複雑な気持ちが日本語だと表現されているんじゃないかな。
私はこういう日本語大好きだな。
怯え切った彼とは対照的にやり切ったような私の「永遠に」
彼を手に入れられた満足感からくる顔つきだと思うのに、暗転するギリギリで泣きそうになる日もあったので、やっぱり木村私は彼を手に入れるだけの計画性も才能もあるけど、自分が手に入れたい形で手に入れることはできていなかったのだろうし自分の感情は誤魔化してる気もする。
M18 スリル・ミー(フィナーレ)Thrill Me(Finale)
「共犯者である彼についてどう思いますか?」
「あんなことがなければやはり今でも…」
54歳の私が過去として振り返っている言葉なのに「やはり今でも」で胸がつっかえるような言い方。
「こんな話二度としたくありません!」
もただただ悲しい日もあれば、強く二度と聞いてくるなよ!というような言い方の日もあった。
私と彼は死刑になるべきだった、でもそうはならなかったので今となっては税金を無駄にしてまで私を捕まえておく必要はないと言われて語る私の「今でも新たな殺人犯が毎日のように生まれている。そしてその彼らを救う弁護士達も」
という言葉、ここにわたしは毎回うわっとなるのだけど。
最初に言った「もっと酷い事件はいっぱいあったし、今も起きてる」と同じくたとえ私がいうように彼のせいで殺人を犯したとしても加害者側が自分たちよりも他にも…と語るのはグロテスクだなと。
仮釈放が認められてあなたは自由ですと告げられると、すでに泣きじゃくりボロボロになっている私は虚な目で「じゆう……?…自由」と呟く。彼がいない今の世界では彼と犯した罪で縛られ続ける牢屋の中の方がどれだけ冷たい鉄の中でも温度を感じるのかなと。
手錠が外されるシーンでの間に私の葛藤が詰まっている。
このシーンは手を組んでいることやライティングの効果もあり祈りのようにも見える。
彼のいないこれからの人生を生きなければいけない、身体は解放されるのに心までは解き放たれることはない。
所持品の返却、
それは34年前に持っていた小銭と金の懐中時計。
今ではどうなっているのか、煙草が一箱。
そして一枚の写真。
高校生の頃、この公園で撮った彼の写真。
私の中で彼という存在が薄れることはなかっただろうけど、あの頃の写真を取り戻すことによって、私の中の彼が私に呼びかける。
高校生の頃の、きっとまだまっさらな二人の時の彼が優しい音色でレイと呼ぶ。
人が最初に忘れるものは聴覚だと聞いたことがあるのでこの、「レイ」で私の中に生きていた彼が完全に蘇る。
「待ってたよ」
やっと、やっと彼は完全に私のものに。
「さあいいか 僕たち二人 共犯者」
「さあいいか」は美しく
「僕たち二人」で濁っていき
「共犯者」の唸るような歌い方が最高でした
私と彼の関係に名前はつけられない。
それは悲しくも時代背景に影響している部分もある。
彼と私、男二人では恋人という簡単な二文字すら手に入らない。
だけど私は彼と一緒にいられるなら、その関係性の名前なんてなんだってよかった。
共犯者、最悪な罪を犯して世界から孤立してもふたりぼっちならそれでいい。
最後の「スリル・ミー」
9/14の公演では少しの笑み、挑発的な笑みで楽しそうに言っていたし、愛してる愛して欲しいという言葉だけではなくやっぱりそこにゲーム感覚というか自分のやりたいようにやった結果の笑いであるようにも見えた。
でも最後まで悲しくて哀の強い「スリル・ミー」もあったし、笑っているのに暗転と同時に悲しみになっていった日もある。
スリル・ミー木村・前田総括
スリル・ミーを見て「支配とは気持ちが良いものである」と思うのですよね。
これは頭ではそう思ってはいけないというのが普通で、まともな人間なら誰かを支配することはいけないことだと分かる。
この考えは別に「だから仕方ないね」とか「支配って最高」と言いたいのではなく、これが人間の奥底に眠っている感覚でありそんな芝居を木村前田ペアに見たというか。
いい悪いは別として人を支配することって気持ち良いものなんだと思う。
だから人はそれに魅了されてしまう。
人を支配して自分こそ特別で頂点であると確信できたら最高の気分になるのだと思う。
だからそういう幸せを与えてあげていたんだよ、僕こそが超人なのだからというのが木村私だったんだかなと。
前田彼のこと超人になりたかった凡人、父の愛に飢えてるせいでどれだけ強者側の振る舞いして他者を支配してるように見せても結局内側何も満たされていない人だと思っていて、だからこそ木村私が「支配していると思わせてあげて満たすことで支配する」の、持ち味が効いていると思う。
彼の望む私として振る舞うことで、支配していると思わせるという支配。
私と彼の関係は紛れもなく同性愛としてそういう関係なんだと思うけど、ただの恋愛感情としてはどうしても思えなくて、木村私がどこまで自覚しているのかはわからないけどそういう好きって気持ちで突っ走ってきたけど木村私の中の潜在的な支配したい欲、彼を支配することで自分が満足するというエゴというものがあったからなのかなというのが個人的なスリルミー木村前田への感想。
だからゲームのように楽しんで勝ち誇って詰め寄るけど、でも完全に支配したくてゲームとしてだけで好きだったわけでもなくきっかけはピュアな気持ちだったからこそ自分の行動にも葛藤するし、彼のぐちゃぐちゃになっている姿に興奮するのに君より上だと言いながら涙が溢れ落ちる。
私と彼って大学生の頃に身体の関係が始まっていたのだと思うけど(飛び級してるから知能は高くても心と身体の年齢は大学生に満たない)最後の彼の写真は高校生で私と彼が身体の関係には及んでいない、本当にまっさらな時の、それこそ君と一緒にいたいとまっすぐに思っていた時期のものかなと思っている。
その写真を撮った以降、ふざけていた流れでなのか、ゲーム感覚かは分からないけど大学四年生より前に身体を交えたことが一度または複数あって、だから彼が「何も言わずに遠くへ行ってしまった」ことに心底悲しくてもう二度と離れたくないと思ったのかな。
彼はきっとどんなに女を抱いても私と寝ても自分を愛してるよと言ってくれる人がいても満たされなくて、でも身体の関係なんてなくてもレイとは一緒にいた気がする。(少なくとも前田彼は)
それなのに私は関係を持つところまで気持ちを押し付けていたし、最初から拒絶されてればまだしもそういうふうに一度手に入れたと思ったのなら尚更「僕の元へ帰ってきた」ことに喜びを感じただろう。
欲しいと思ったのものを手に入れたいだけ、最初からそれだけだと。
「彼と出会わなければあなたの人生は全く違うものになっていたかもしれませんね」
という言葉に、木村私が前田彼の全てを丸呑みしそうな勢いの日に見るといやいや前田彼こそ木村私に出会わなければこんなふうにはならなかったよと思っていたのだけど、
でもやっぱり『スリル・ミーの彼』は私と出会わなくてもいつかはその殺人衝動を抑えられず罪を犯していただろうし、私は彼に出会わなければ殺人はしなかったと思う。
達成くんのお芝居に屈し続けている身としては倫理的には共感できない、してはいけない、擁護してはいけないなと思うようなキャラクター性や行動をする人物でも達成くんのお芝居が最高なせいでこちらが必死に倫理観を崩さないように努力したりそれはそのキャラが悪いよって思ってもその役はピュアで真っ直ぐで愛があるから絆されてしまうのどうにかしたい。
木村達成さんスリルミーに出演してくれてありがとう!
前田公輝さん、木村達成私の彼になってくれてありがとう!
このペアを組ませてくれた偉い人ありがとう!!!
配信決定してくれたホリプロさんありがとう!!
ちょっとあまりにも長くなってしまったしまとめ切れないしこれ以上細かく書くと一生3ペア配信にありつけないので一旦ここで締めます!
途中から観劇日比較のための自ツイート(または下書き)漁りもできなかったので配信見たら改訂版出すか追記します!!!!リプライズ
他ペア見たらさらに解像度上がりそうだし、スリルミーという根幹を知るためには役者のお芝居としての良さの部分なのか脚本等共通した点なのかなのかをもっとクリアにするべきだと思うのでそのあたり残りの配信期間にぶん回します!!!!!!
まずは大千秋楽まで皆さん本当にお疲れ様でした!!
充実した秋でした!!